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Japanese Ingredients
日本産原材料と生産地のご紹介
Pierre meets Japan
日本上陸25周年記念対談
The history of PIERRE MARCOLINI in Japan
PIERRE MARCOLINI 日本での歩み
Message from Pierre
ピエール マルコリーニからのメッセージ
黒龍酒造 八代目蔵元
水野直人
1964年福井県生まれ。東京農業大学醸造学科卒業後、協和発酵(現、協和キリン)を経て、1990年に黒龍酒造に入社。2005年、同社社長に就任。2022年に福井県永平寺町に食と文化の発信施設「ESHIKOTO」をオープンさせた。
黒龍酒造https://www.kokuryu.co.jp/
ESHIKOTOhttps://www.eshikoto.com/
福井県で1804年に創業し、200年以上の歴史を誇る黒龍酒造。「黒龍」の由来は、県のシンボルでもある「九頭竜川」から。福井県を横断し日本海に通じるこの川は、かつては「黒龍川」と呼ばれていた。 2022年、この九頭竜川を目の前に望む土地に、食と文化の発信施設「ESHIKOTO」がオープンした。福井へ足を運ぶ利用客へ豊かな自然と食を届けながら、日本酒の新たな可能性を追求し続ける同施設。「黒龍酒造」の哲学を体感するため、そして日本酒とチョコレートが織りなす新たな味わいを生み出すため、ピエール マルコリーニ自身がその地を訪れた。
20代後半に、フランスはブルゴーニュ地方へ渡った水野氏。そこで目にしたのは、ワインを通してその土地の文化を楽しむ、名産地ならではのお酒の楽しみ方だった。日本酒を飲むだけでなく、生産地の素晴らしさも感じられる場所を作りたい。その想いが詰まったのが、この「ESHIKOTO」だ。
ピエール「今日は、黒龍酒造で造られるお酒の美味しさの秘密を知りたいと思ってやってきました。お米やお酒造りの技術はもちろんのこと、この川の音を聞いていると、水も重要な役割を担っているんだと感じます」
「ESHIKOTO」の目の前には、思わず目を奪われる雄大な山々が広がり、その麓には「九頭竜川」が悠然と流れる。さらさらと音をたてながら、ピエール マルコリーニを迎え入れた。
水野「私たちのお酒は、九頭竜川の伏流水を使っています。日本酒を楽しみながら、お酒が造られる環境まで体感することができる。ここは絶好のロケーションでした」
ピエール「この美しい山々と水の音。素晴らしい場所ですね。ここにいると、不思議と山や水のパワー、自然のエネルギーを感じます。山を見て、水の音を聞いて、木に触れて、五感全てが包まれるような衝撃がありました。まるでここにいるだけで“禅”に通ずるような、そんな環境です」
水野「ここにいらっしゃるお客様は、みなさん何か良い『気』をもらっている、と仰っていますね。私は、お酒は人の縁を繋ぐ事業だと考えています。古いものや自然のものなど、福井に残る資源を活用しながら、人々の交流の場としてこの『ESHIKOTO』を作りました」
ピエール「交流を目的として作られたことがよく伝わってきます。歩いているだけで、施設の中に入ってみたい、食事を楽しんでみたいとも思いますし、目の前の川を見ていると魚も美味しいんだろうなと、想像力が掻き立てられます。伝統を守りながら革新的である姿勢も素晴らしいです」
ESHIKOTOには、「臥龍棟」という名の貯蔵庫がある。「臥龍」とは「眠り龍」のこと。ここでは、スパークリング日本酒をいずれ飛び立つ龍になぞらえ、最低でも15か月の間寝かせ、育てている。
建築を担当したのは、日本に西洋建築をもたらしたジョサイア コンドルの末裔、サイモン コンドル。貯蔵庫としてだけでなく、その内装の素晴らしさから、現在はイベントホールやウェディング会場としても活用され、まさに人々の交流の場となっている。
棟内にある臥龍房は、黒龍酒造の新たな可能性を探るための場でもある。ここで造られているスパークリング日本酒は、シャンパンと似た手順をたどって新たな姿へ変化していく。
水野「この臥龍房で瓶内二次発酵をさせています。15か月以上熟成させたあと、ルミアージュ(動瓶)、デゴルジュマン(澱引き)を行い、また熟成が始まります」
ピエール「まさにシャンパンと同じ手法なんですね」
水野「ここは、いままでの黒龍酒造にない新たなお酒を生み出すための実験の場でもあります。熟成期間を変えてみたり、製法を変えてみたりして、お客様と対話をしながら新しいお酒を造っています」
ピエール マルコリーニが自身のチョコレート作りに選んだのは、純米大吟醸酒を熟成させた、黒龍酒造を代表する極みの酒、「黒龍 石田屋」。
水野「黒龍酒造では、蔵内で保存している酵母を使ってお酒を造っていて、落ち着いた上品な香りに仕上がっています。白い花や、様々な果物が混ざったような香りです」
ピエール「桃やバナナのような香りがします。アニスのような香りもして、口に含んだだけでチョコレートとのレシピがすぐ浮かんできました」
「黒龍 石田屋」は、毎年数量限定でしか生産されない、日本酒愛好家の垂涎の的。屋号を冠したこのお酒は、黒龍酒造の200年余りの歴史を守るかのごとく、伝統的な手法で製造が続けられている。
ピエール「香りも素晴らしいですが、このクラシックなラベルも素敵です。なぜこのラベルを選ばれたのですか?」
水野「このラベルは、福井の越前市でつくられた、越前和紙を使っています。ボトルは、ワインから着想を得て、オリジナルで作ったものです」
ピエール「ボトルを見たときに、ワインの影響はすぐにわかりました。福井の和紙を使うというのは、地産地消という点でもとても素晴らしい取り組みですね」
福井のお酒には福井の素材を。伝統を守りながら、新たな可能性を拓く。黒龍酒造の哲学を表したような日本酒「黒龍 石田屋」とピエール マルコリーニの美学は、どのようにマリアージュするのか。
ピエール「チョコレートと日本酒を組み合わせるのは新しい取り組みです。どちらか一方を目立たせるのではなく、どちらも負けずに調和して、新たな味わいが感じられる、そんなものに仕上げなければなりません」
ピエール「『黒龍 石田屋』は、存在感があってパワフル。私が今考えているのはビターチョコレートです。カカオには個性の強いものがあって、例えばコンゴのキブ地方で採れるフォラステロ種。グリルしたような香りがある、力強いカカオ豆です。もう一つは、南米のチュアオという場所で生産されるクリオロ種というもの。世界で2%しか生産されていない希少なカカオ豆です。フォラステロ種とは反対に、非常に繊細な、フローラルな香りがします。『黒龍 石田屋』であれば、こういったカカオの個性にも負けずにバランスの取れた、新しい美味しさを生み出すことができると思います」
日本酒とチョコレートが調和した新しい味わいを求め、ピエール マルコリーニが生み出したひと粒が、“沈黙の味わい”。日本酒「黒龍 石田屋」を使用したガナッシュをビターチョコレートでコーティング。奥深く洗練された味わいに仕上がった。
ピエール「『石田屋』というフルーティーさと砂糖漬けされたバナナのようなニュアンスが特徴の、黒龍酒造による卓越した日本酒。午前10時に水野氏と味わったこの酒は、驚きながらも忘れがたい体験でした」
コフレ アニヴェルセール ヴァンサンカン ジャポン 9個入り/18個入り
日本上陸25周年を記念して、日本酒やほうじ茶、海苔、果実など、日本ならではの食材とコラボレーションした9粒を限定発売。パッケージには、「黒龍 石田屋」と同じく福井の伝統を誇る越前和紙を使用。箱を開ける瞬間の手触りから日本を感じる、2026年の限定コフレ。
ピエール「まずは、水野氏のプロフェッショナリズムに、日本酒への愛情を感じました。黒龍酒造のお酒は、どれも飲みながら次々とアイデアが湧き出てくるような、可能性を秘めたものばかり。ヨーロッパでは、まだまだ日本酒といえばフレッシュなものしか知られていません。けれど、実際はふくよかなものもあったり、もっと多様な世界が広がっているのだとわかりました。今回の日本酒とチョコレートのマリアージュによって、まだ知られていない日本酒の魅力を伝えていきたい。このひと粒は、ベルギーと日本を繋ぐ新たな架け橋になるでしょう」
日本上陸25周年を記念して試みた、日本酒とチョコレートのマリアージュ。福井の地に足を運び、造り手との対話を重ねたピエール マルコリーニが表現する新たな味わいを、是非ご賞味あれ。